世界遺産

富岡製糸場と絹産業遺産群

群馬県 企画部 世界遺産課

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現代の絹産業

養蚕(ようさん)

養蚕農家が蚕(カイコガの幼虫)を飼って繭を作らせる産業を「養蚕業」といいます。また、関連産業として、養蚕農家に蚕の卵(蚕種)を供給する「蚕種製造業」や桑畑を造成するための桑苗を供給する「桑苗業」があります。
明治期には自然条件のもとで春1回しか飼育できなかった蚕ですが、現在では、春蚕期、夏蚕期、初秋蚕期、晩秋蚕期(晩々秋蚕期、初冬蚕期)と年6回以上の飼育も可能です。

蚕の一生及び形態

カイコは、卵、幼虫、蛹、成虫の4つの成長段階を経る完全変態の昆虫です。卵からふ化した幼虫は、約25日間かけて4回脱皮を繰り返した後に成熟した幼虫(熟蚕(じゅくさん))となり、2~3日かけて糸を吐いて繭をつくり、さらに2~3日で蛹となり、その後10日ほどで蛾になります。


  1. カイコガの産卵
    1匹のカイコガは、約500粒の蚕の卵を産みます。
  2. 蟻蚕(ぎさん)(毛蚕(けご))
    生まれたばかりで餌を食べていない蚕は、黒い体毛によって蟻のように見えるので、蟻蚕(ぎさん)(毛蚕(けご))と呼ばれます。
  3. 幼虫(5令)
    4回脱皮した5令の幼虫の体重は、生まれたばかりの蟻蚕に比べて約10,000倍に増加します。
  4. 営繭(えいけん)
    蚕が糸を吐いて繭をつくることを「営繭」と呼びます。蚕は2~3日間かけて約1300~1500mの1本の繭糸を吐き続けます。蚕の吐く繭糸は、髪の毛の1/4ほどの太さです。

  5. 現在飼育されている蚕の繭の重さは、1粒で約2.0gです。

製糸(せいし)

繭から生糸を作って販売する産業を「製糸業」といいます。
上繭(品質の良い繭)を購入して上質な生糸をつくる「器械製糸業」は、明治期から昭和初期まで主に輸出向けに生糸を製造していました。
現在でも群馬県には、養蚕農家が組織する「碓氷製糸農業協同組合」が製糸工場を操業しています。

繭から生糸ができるまでの主な行程


  1. 乾繭
    生産された繭を加熱乾燥して蛹を殺し、長期保存できるようにします。
  2. 選繭
    生糸の繰糸に向かない汚れた繭などを除きます。
  3. 煮繭
    繭を煮て、繭糸をほぐれやすくします。
  4. 繰糸
    数個の繭からほぐれた繭糸をよりあわし1本の生糸にして小枠に巻き取ります。
  5. 揚返し
    繰糸した小枠の生糸を大枠に巻き返します。
  6. 束装
    大枠から外した生糸の束を「綛」と呼びます。綛を約24本を束ねて包装し出荷します。

織物(おりもの)

生糸は表面にセリシンというニカワ質の付いたままのゴワゴワした糸です。柔らかく、光沢のある絹糸は、この表面のセリシンを取り去ることで生まれます。この作業を「精練」と言います。精練を先に行ってから織り上げるか、織り上げてから精練を行うかで、織物の造り方が違います。


先練(染)織物の工程

【生糸】
撚糸
精練・染色
(糸練・糸染)
練糸・色糸
製織
仕上
【織物】
(無地・織柄)

後練(染)織物の工程

【生糸】
撚糸
製織
精練・仕上 【白生地】
(布練)
染色・仕上
【織物】
(無地、捺染柄)
撚糸
数本の生糸を引き揃えて撚りをかけた糸です。
練糸
セリシンを取り除いた撚糸です。
製織
織物をつくる機械で糸から織物をつくります。
先練り
織物を織る前に精練した糸(練糸)で織ったものを「先練織物」といいます。
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