Q : 荒船風穴ってどんなところ?
A : カイコの卵を貯蔵した自然の冷蔵庫
荒船風穴は、岩の間から吹き出す冷たい風を利用して、カイコの卵を貯蔵していた日本で最大規模の施設です。昔は、カイコを飼うことができるのは年1回でしたが、風穴でカイコの卵を冷やして貯蔵し、卵のかえる時期をずらすことで、年に数回、カイコを飼うことができるようになりました。そのおかげで生糸のもとになるまゆをたくさんつくれるようになり、生糸の大量生産につながりました。
風穴から数百メートルほど離れた場所に岩が重なっている場所があります。この中には冬の間に凍った氷が残っています。この岩のすき間を空気が通り抜けるため、風穴に出るころには2〜3℃の冷気になるのです。
荒船風穴の石積み
お城の石垣と違い、冷気を取り入れるためにすき間をつくりながら積み上げました。外側は冷気を閉じ込めるためすき間を塞いでいます。
空から見た荒船風穴
全国から集められたたくさんのカイコの卵は、荒船風穴の事務所「春秋館」に集められてから、山間部の風穴まで運ばれていました。
まめちしき
カイコの卵は植物の種に似ていたことから、
【蚕種】と呼ばれていました。