中之条町六合赤岩
伝統的建造物群保存地区
山間の美しい地区で組紐体験
構成文化財
中之条旅は、日本遺産「かかあ天下―ぐんまの絹物語―」の構成文化財に認定されている、中之条町六合赤岩伝統的建造物群保存地区からスタート。
「六合」読めますかー??
「ろくごう」ではなく「くに」です!知らなかったら読めませんね。この地域は、現在は中之条町となっていますが以前は六合村という村だったんです。
赤岩地区は明治から昭和40年ごろにかけて養蚕が盛んに行われていた地区。ここで育てられた繭は群馬県内や長野県に出荷されていたそうです。赤岩地区には養蚕農家の建物が数多く現存し、平成18年7月に地区全体が群馬県で初めて国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
「赤岩ふれあいの家」に到着し車を降りると、目に入ってきた光景にビックリ!色とりどりの花が咲く通り沿いに、江戸・明治年間に建てられた歴史ある建物が立ち並び、一瞬、タイムスリップしたかのような気分に。
この日は雨も降っていたので、幻想的でありながらどこか懐かしさを感じました。
集落の中でもひときわ目立つ、大きな土蔵造りの「湯本家住宅」。
獄舎を逃れた蘭学者・高野長英をかくまったと伝えられている「長英の間」が残されています。毎月最終日曜日には邸内を見学することができるそうです。
少し歩いて「旧稚蚕飼育所」へ。
ここは養蚕が最も盛んに行われていた昭和30年代に、地域の皆さんが共同で蚕の赤ちゃんを飼育する「稚蚕飼育所」として使われていた施設で、現在は養蚕や座繰りなどの体験施設として利用されています。建物の近くには桑畑があり、現在でも夏に養蚕を行い、繭を収穫しているそうです。
ここで、絹糸で作る「組紐」に挑戦しました。映画「君の名は。」で見たシーン。同じ体験ができるなんて、テンションアップ!!
「上、下、右、左」と声に出しながら8本の紐を動かす結び方をゆっくり教えていただきましたが、実際にやってみると難しい!!考えると手が動かないし、考えなくても手が動かない(笑)
綺麗な色の紐に見とれていると左右の手の動きが分からなくなってしまいます。教えてくれたお母さんは手元を見なくても結べるらしい・・・。コツを聞いたら「頭で考えないで体で覚えることだよ」と笑って教えてくれました。
紐が丈夫に編まれるように、紐の端には重量感のある重りが付いています。シルクの糸は光沢があり、ツルツル!気持ち良い手触りです。
ゆっくり丁寧に、少し時間は掛かりましたが、優しい風合いの組紐が完成。こうやって伝統が守られていること、引き継がれていることに感銘を受けました。この伝統をたくさんの方に見て・知って・体験してもらいたいな!
完成した組紐を、手際よくストラップに仕上げていただきました。ピンクが差し色になっていてとてもかわいい♪全部が初めてづくしの組紐体験。すごく楽しかったです!
お母さんたちのお話が楽しくて、ついつい長居してしまいました。入れてくれた「桑ほうじ茶」もとてもおいしく、穏やかな時間を過ごせました。
伝統的建造物群保存地区
- 群馬県吾妻郡中之条町大字赤岩225(赤岩ふれあいの家)
中之条山の上庭園
女子の心をぐっとつかむ標高1,000mの庭園
中之条の自然の景色を堪能しながら車を20分ほど走らせて、「中之条山の上庭園」へ。その名の通り、標高1,000mの山の中にあるこの庭園には、季節ごとに200種類を超えるハーブが咲き、遊歩道を散歩しながら四季折々の花々を楽しむことができます。
お店に入った瞬間にテンションが上がります!
どこから見ていいのか分からないくらい可愛くてお洒落で、珍しいお花(ドライフラワー)がいっぱい!
棚も壁も頭上も華やかなお花で、視界が幸せすぎました。女子はやっぱりお花を見ると胸が躍りますよね。
売店には、ワラに色とりどりな布を巻いたもので編まれた「こんこんぞうり」や、やまぶどうの皮で作ったかごなど、六合地区のお土産も売っていました。どれも一点もので、作った人の顔が浮かぶ温かい作品ばかりです。
こちらでは、ドライフラワーリースづくりとハーバリウムづくりが体験できます。今回はドライフラワーリースづくりを体験。大きいサイズの本格的なリースを数時間かけて作る人もいるそうですが、私は手軽に作れる小さいものを作ります。
まずは、飾りつけのアイテム選び。
草や葉、木の実・花・豆まで!びっくりするほどたくさんのアイテムがあり、すでに楽しい!アイテムは、園内やその周辺で採れたものがほとんど、中には来園される人が提供してくれるものもあるそうです。
自分が作りたいリースをイメージしながら選んでいきます。私は緑系を中心に、絶対に使いたい! とピンときた「ナズナ」を入れた数種類のアイテムを選びました。
机の上にアイテムを並べて、制作スタート!
園長にアドバイスをもらいながら、バランスや色合いを考え、完成をイメージして、アイテムを並べていきます。
配置を決めたら、グルーガンでしっかりと貼り付けていきます。
あっという間に完成!最後に「ナズナ」を動きが出るように配置したのがポイントです。
園長が優しく丁寧に教えてくださったので、リース作りが初めての私でも楽しくできました。世界でたった一つのリース。インテリアにも贈り物にもいいですね!
園内にはレストランも。こちらでランチをいただきます。レストランは開放的でとても明るく、窓からは周囲の景色が見渡せます。季節によって変わる窓の外の景色も食事をしながら楽しめるなんて最高ですね。
地元の食材を使ったメニューがたくさんありましたが、「田舎パスタ」をいただきました。キノコやお野菜がたっぷり入っていて、とくに山菜がおいしかった!
デザートにいただいたバラのジェラートは、まさにローズ!口の中にバラの香りが広がり、鼻から抜ける香りもバラでした!!
大きな花豆が入った「六合カレー」も、このレストランの人気メニューだそうです。その土地で採れた物が食べられるって幸せですね!!
お花に囲まれて贅沢すぎる空間でした。またゆっくり行きたいな~!
- 群馬県吾妻郡中之条町大字入山小森口4046-2
道の駅 六合
自然あふれる道の駅、足湯と森林浴でリラックス
花の楽園に後ろ髪をひかれつつ、「道の駅六合」へ。
この道の駅には、地元の新鮮野菜や特産品が並ぶ観光物産センターのほか、お食事処や日帰り温泉もあります。まずは観光物産センターへ。到着したころには野菜がだいぶ売れてしまっていましたが、野菜の新鮮さとリーズナブルな価格にビックリ!
「六合」の文字が入ったタオル
こんこんぞうり
六合地区の伝統工芸品。「めんぱ」
赤岩の桑茶
かわいい商品をたくさん発見!この地でしか手に入らないものが並んでいて心が躍りました。お土産、どれにしようかな~。
観光物産センターの裏手に降りていくと、敷地内にある日帰り温泉「応徳温泉くつろぎの湯」の温泉を使った足湯が。応徳温泉は応徳年間に発見された歴史ある温泉で、弱アルカリで黒い湯花を持った珍しい天然温泉だそうです。
1,000年も前からこの地で愛されてきた温泉の足湯につかり、景色を眺めてしばしリラックス。
名物の「花豆ソフト」もいただきました!クリーミーでマイルドな甘さでおいしかった~!
道の駅六合は、建物の裏側に山が綺麗に見えて、空気も澄んでいて、なんだかリラックスできる道の駅でした。春夏秋冬で見える景色も違うので、お買い物と一緒に周りの自然からも癒しをもらえる場所です!
- 群馬県吾妻郡中之条町大字小雨29
チャツボミゴケ公園
天然記念物が創り出す幻想的な世界
道の駅六合を後にし、「チャツボミゴケ公園」へ。山の中を走るチャツボミゴケ公園までの道のりでも、様々な草木に出会うことができました。
ここでは、昭和40年まで露天堀りによる鉄鉱石の採鉱が行われていて、その露天掘りの跡(穴地獄)に、世界に18,000種あるコケ植物の中で最も耐酸性の強いチャツボミゴケが自生しているそうです。
この公園のチャツボミゴケの群生は日本最大級で、平成27年に「芳ヶ平湿地群 穴地獄」として、ラムサール条約に登録。平成29年には、特殊な環境によりチャツボミゴケや鉄バクテリアなどが関与して、今なお鉄鉱が作られていることが評価され「六合チャツボミゴケ生物群集の鉄鉱生成地」として、国の天然記念物に指定されました。
チャツボミゴケ群生地(穴地獄)には歩いても行くことができますが(片道1.3km)、専用バスに乗ればバスを降りてから300mほどで群生地まで行くことができるので、専用バスに乗って向かいます。
バスを降りて整備された遊歩道を歩いていると、綺麗な景色が次から次へと目に飛び込んできました。水のせせらぎや鳥の声をBGMに奥へと進んでいきます。なんて素敵な場所なんだ・・・。
チャツボミゴケの群生地「穴地獄」に到着。
ここは本当に幻想的でした。「コケってこんなにも上品で美しいものなんだ! 」と、コケの概念が劇的に変わりました!視界に収まりきらないほど見事に広がるコケ。満開の芝桜みたいに全体が鮮やかで
優しい緑色のコケを見渡すことができました。
段々になっていて、上の方からは透き通った綺麗な水が流れてきますが、ところどころから源泉が噴出していて温泉の香りがします。
角度によって色々な写真も撮れるので楽しい!コケが思いもよらぬ世界観を作り出しています。
チャツボミゴケ公園は、「穴地獄」という名前に反して、ゆっくりとした時間が流れるマイナスイオンたっぷりな場所。ぜひ一度足を運んでみてください!
- 群馬県吾妻郡中之条町大字入山13-3