中之条町歴史と民俗の博物館
「ミュゼ」
古き良き時代にタイムスリップ。中之条町の歴史を次世代に紡ぐ
子供たちと一緒に群馬県中之条町を巡る旅。旅のスタートに選んだのは「中之条町歴史と民俗の博物館ミュゼ」。明治初期の洋風学校建築である旧吾妻第三小学校の校舎を活用した博物館。レトロな外観が素敵です☆
入館料は大人200円・子供100円ととても安いので、正直あまり期待していなかったのですが、入ってみるとビックリ!館内には、じっくり見ていたら半日以上かかるのではないかと思われるほどのたくさんの展示物。中之条町を中心とした資料が約6,000点展示されているとのことです。
2階は原始・古代・中世・近世の資料が、1階には明治・大正・昭和の資料や四万・沢渡温泉の歴史を伝える温泉資料室、江戸時代の生活を伝える民俗資料室などがあります。
子供たちは民俗資料室にある手回し洗濯機・柱時計・真空管ラジオ・電気釜など、今ではあまり見ることのない昔の生活用具に興味津々。私も使ったことはないので、子供たちと使い方について白熱した議論を交わしました 笑
太平洋戦争の資料も印象的で、実際に着用されていた衣類や竹槍などの兵器も展示されていて、本当に過去に起きた出来事なのだとリアルに感じられ、同じ歴史が繰り返されないよう子供たちにこのような歴史も伝えていかなくてはいけないと思いました。
1階にある開校当時の教室を再現した教育資料室。
昔の小学校の机や椅子に座り、教科書を見ながら、当時の学校での授業の様子を想像してタイムスリップした気分に。昔のおもちゃやお弁当箱なども展示されていて、子供たちは物珍しい光景を楽しんでいました。部屋に置いてある木製の足踏み式オルガンは、自由に弾いてOK。今では触れる機会も少ないので、昔の音色を楽しんでみるのもいいですね。
「ミュゼ」
- 群馬県吾妻郡中之条町大字中之条町947-1
中之条町ふるさと交流センター
つむじ
カフェ・ショップ・足湯・イベント「楽しい」が大集合!
ミュゼのすぐ近くにある「中之条町ふるさと交流センターつむじ」。ユニークな形をしたオシャレな建物。中にあるお店もどこもオシャレ!
カフェ、雑貨屋、食事処、足湯などがあり、建物に囲まれたお祭り広場では、イベントなども開催されるそうです。観光協会もこちらにあり、パンフレットをもらったり、観光情報を聞いたり出来るので、旅のスタートに寄るのもオススメ!ですが、見どころ満載なのでココでの時間の使いすぎに注意です。
到着すると子供たちは一目散に「ロカーレ・ジェラート」へ。
お店の前のソフトクリームのオブジェ?でアイスが売っているのに気付いたみたい。ロカーレとは、イタリア語で「地元・地域」などの意味があるそう。自然に恵まれている中之条町。地元で採れた素材を中心に作られたなめらかジェラートです。
真剣に悩んでおります 笑
チョコレートや抹茶といった定番から温泉まんじゅう・山椒といった変わり種まで14種類の味がありました。1種類に絞れるはずもなく全員ダブルを注文。
オススメはなんといっても四万ブルー!四万温泉を流れる四万川をイメージしたとても綺麗な青。映えます!
選んだジェラートとは別に、おまけで好きな味を1スプーンつけてくれます。
ジェラートはとてもなめらかで、甘すぎず素材の味がしっかりと感じられ本当に本当に美味しいです。遠くまで足を伸ばしても食べたい逸品です!
こちらは「tsumujiショップ」。地元産の食材を使用したジュースやジャム、かわいい雑貨まで多数取り揃えてあります。
かわいいこけし達。遠目から見ると同じようなこけしさん達ですが、近くで見てみるとそれぞれ表情や装飾が違っていて個性豊か。作り手のユーモアが詰まっていて、見ていて楽しい気分にさせてくれます。ぐんまちゃんこけしもいます。三角耳のないぐんまちゃん、なんだか不思議(笑)
!?!?!?!?!?!?!?
日用雑貨と宝石せっけんのワークショップ「anjarne」。お店の名前は「あんじゃーね」と読むのですが、由来はこの地域で使われる「あんじゃーねぇ」という方言。「大丈夫」というようなニュアンスです。
宝石せっけんのワークショップでは、四万ブルーなど綺麗な色のせっけん作りが出来ます。せっけんを固めるのに15~40分程かかるので食事や買い物の前に作るのがおすすめです。
時間が無い方は、販売もしているので自分好みの色・香りのせっけんを見つけてみてください。
四万温泉の湯を気軽に楽しめる足湯もあります。子供たちはすぐ熱くなってしまったみたいですが、日々の疲れた身体に染み渡ります。中之条町には、登山やトレッキングを楽しめる山がたくさんあるので、帰り道にこちらの足湯で癒されて帰る方も多いそうです。
ふるさと交流センター
つむじ
- 群馬県吾妻郡中之条町大字中之条町938
美野原茶屋
THE田舎の名店。地元小麦を使用した絶品うどん
ランチにお邪魔したのは「美野原茶屋」。
農村地域にぽつんとあるお店です。ホントにぽつんとあります(笑)周辺にはコンビニや飲食店どころか家もほとんどありません。お店の近くにいくつか建物があるだけで、まわりは田んぼ・畑・山!知らなければこんなところにお店があるとは思わないでしょう。しかしこのお店、ひっきりなしにお客さんが来ます!
店内はテーブルや椅子、扉からメニューまで木を基調とした落ち着いた雰囲気。
ご夫婦二人で切り盛りされているようで、お店の雰囲気は親戚の家に来たような優しくあたたかい感じ。お店に入ると気さくに優しく話しかけてくれました。
子供用の椅子もあり、取り分ける食器もこちらがお願いする前に出してくれました。こういう心遣いって些細な事だけど、とても助かります。お料理だけでなく、雰囲気やおもてなしも人気の秘密なのでしょう。
もりうどん大盛りと野菜天ぷら小を注文。おうどんは地元の小麦を使用したこだわりの手打ち麺。
コシの強さよりも柔らかさとつるりとした、のどごしの良さにこだわっているそうです。口に入れると小麦の風味が広がります。有機野菜を数種類入れたこだわりのつけ汁との相性も抜群。柔らかめの麺は食べやすく、子供たちにも大好評でした。
野菜天ぷらは、まわりの畑で採れた野菜を使用、素材そのものの甘さが感じられます!衣も薄くてサクサク感が最高でした。
運ばれてきた時はおうどんも天ぷらもボリュームたっぷりで、食べきれるか心配でしたが、全然重たくなく無事完食。コスパも素晴らしいお店でした。
- 群馬県吾妻郡中之条町大字五反田4139-2
木工体験 木ばらし工房
太宰治が宿泊した部屋でおもちゃ作り
お腹も満たされ、次に向かったのは「木工体験 木ばらし工房」。
まず驚かされるのが、おもちゃの数!とにかくたくさんの手作りおもちゃが出迎えてくれます。
さらに驚かされるのは歴史のあるこの建物!400年前の建物を京都から移築したもので、かの文豪・太宰治も宿泊し執筆活動をしていたといわれているお部屋だそうです。この部屋で何の作品を執筆していたのでしょうか。
おもちゃ作りを教えてくれるのは、ぐんまの木活用コーディネーターの狩野さん。狩野さんは、物腰が柔らかくとてもやさしい方で、子供たちはすぐに懐き、本当のおじいちゃんのように触れ合っていました。
木工体験を始める前におもちゃで遊ばせてもらいます。見たことのないカラクリおもちゃに子供たちはすぐに夢中に。
何かに夢中になると次の行動に移るのが難しいお年頃なのですが、狩野さんの話は素直に聞くんですね。すんなりとおもちゃ作りスタートです。
2人はゴムでっぽう作りに挑戦。
小さい頃に割りばしでよくゴムでっぽうを作りましたが、それと比べるのが失礼なかなりカッコいいゴムでっぽう。上手く作れるか不安でしたが、狩野さんが優しくフォローしてくれるので心配無用。
こちらのテラスでコーヒーをいただき、寛ぎながら子供たちの作業風景を見守ります。なるべく自分の手で作り上げようと一生懸命頑張っている姿を見ながらあらためて我が子の成長を実感することが出来ました。
男らしくてなかなか様になってる!
徐々に出来上がっていくのが嬉しいみたい
無事完成!大満足の出来!
狩野さんは訪問してから帰るまでずっと子供の相手をしてくださいました。小さな子供との触れ合いも慣れておられるようで安心してお任せ出来ます。子供たちもとても楽しかったようで、お別れする時はさみしそうにしていました。
雪が多くなる12月中旬から2月末まではお休みするそうですが、暖かくなったらまたぜひ訪れてみたいと思える場所でした。
子供の夏休みの工作の宿題をこちらで作るのも良いですね!
- 群馬県吾妻郡中之条町大字四万4401-9
富沢家住宅
茅葺屋根が印象的、国内最古級の養蚕農家
構成文化財
続いて向かったのは「富沢家住宅」。群馬の絹産業で活躍した「かかあ」たちを伝えるストーリー、日本遺産「かかあ天下―ぐんまの絹物語―」の構成文化財にもなっています。
古くから養蚕・製糸・織物といった絹産業が盛んな群馬県ですが、その中でも代表的な大型養蚕農家。建物は18世紀末に建てられたもので、二階に専用蚕室をもつ国内最古級の養蚕農家だそうです。
茅葺が印象的な建物で、養蚕を行うため二階に光と風を取り入れられるよう正面の屋根を高く切り上げた「かぶと造り」という構造をしています。
群馬県の人にはなじみのある絹産業ですが、なじみのない地域の人たちはあまり知らないかもしれませんね。
簡単に説明すると、桑を栽培、その桑で蚕(かいこ)を飼育、繭を生産する「養蚕」、繭から生糸を作る「製糸」(←世界遺産富岡製糸場はココ)、生糸を染め、撚り(より)をかけ織り、反物(たんもの)などに仕上げる「織物」、といった産業です。
富沢家住宅は養蚕農家なので、蚕を飼育するために餌となる桑も栽培していて、その桑畑は現在も残っています。桑畑って地図記号にもなっていますよね。それほど昔の日本ではよく見られる風景だったということですが、最近では養蚕業が盛んだった地域でも生産者の高齢化や後継者難などによりあまり見かけなくなりました。ここに立ち寄ったら是非見てみてください。
建物の中に入ると「係員がいない場合でも、建物内を自由にご観覧ください」とあり、入り口横のスイッチを入れると15分間電気がつきます。昭和51・52年度に半解体修理されたとのことですが、外観も内部も非常にきれいに保たれています。
展示パネルも置いてあり、日本遺産のことなど分かりやすく説明されていました。子供たちには少し難しい内容だったと思いますが、一生懸命読んでいました。
入場料は掛かりませんが、維持・管理等のためご協力くださいということで箱が用意されていたので、入れさせて頂きました。
縁側に座ってパシャリ!最近では縁側のない家も多いので、ここで写真を撮ってみてはいかがでしょう。
- 群馬県吾妻郡中之条町大字大道1274
道の駅 霊山たけやま
大人も子供も楽しめる四万温泉に一番近い道の駅
最後に訪れたのは「道の駅 霊山たけやま」。嵩山(たけやま)という古代から霊山として信仰を集めた山の麓にあることなどからこの名称が付けられたそうです。春の芝桜、端午の節句のこいのぼり、秋の紅葉など四季折々の景観が訪れる人を魅了します。
メインの建物から奥へ進むと「ぼうけん砦」という嵩山の麓の斜面を利用した大きなアスレチックがあり、子供のテンション爆上がり間違いなし!大人は1回登れば息が上がってしまいそうな大きな遊具ですが、何度も登っては長いすべり台を滑りを繰り返していました。
すべり台は、ほぼ真っすぐ下りてくるものとカーブしながら下りてくる2本あります。ローラータイプではないので、指を挟んだりお尻が痛くなったりする心配もありません。意外と重要なポイント。
写真では伝わりづらいですが、遊具は真田の六文銭を模しているようで、さすが中之条!といった感じがしました。(中之条は真田家ゆかりの地)
ぼうけん砦は大型遊具なので、まだ小さい子供は遊ぶのは難しいかもしれませんが、「こども館」という小さい子供向けの室内遊び場もあり、ハイハイしたりボールプールに入ったり0歳から楽しめると思います。
他にも茅葺屋根の「そば処けやき」や石臼で挽いた十割そばのそば打ち体験(要予約)ができる施設と農産物直売コーナーを併設した「たけやま館」などがあり子供から大人まで楽しめる道の駅です。
- 群馬県吾妻郡中之条町大字五反田222-1
きぬ旅ナビゲーター
akane.0930
埼玉県出身30代女性。結婚を機に群馬へ。現在6歳と4歳の兄妹の子育て中。子育て優先のカメラ好き。カメラを通して群馬のいい所探しをすることを楽しんでいます。群馬の好きな食べ物はハラダのラスクと永井食堂のモツ煮と嬬恋キャベツ!